UIscope活用インタビュー

ウエディングパーク様にインタビューしてきました

日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイト ウエディングパークがユーザーテストを繰り返す理由

株式会社ウエディングパークUXチーム 岸本様
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ユーザーテストではどういったことが検証できるのだろう?と疑問に思っている担当者さんも多いのではないでしょうか?

今回は日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイトを運営している、株式会社ウエディングパークUXチームの岸本さんに、ユーザーテストの利用方法に関してお話をお伺いしました。

ウエディングパークはどういったサイトでしょうか?

ウエディングパークは、実際に結婚式を挙げたカップルの方、参列した方、下見をした方などが結婚式場のクチコミを投稿し、これから結婚式を挙げる予定の方などが閲覧します。全国約5,000 件以上の結婚式場のデータベースとその検索機能を備えており、国内のウエディングメディアではクチコミ掲載数日本最大級を誇るサイトです。

そのなかで岸本さんが担当されている業務を教えてください。

私はメディア開発本部という、ウエディングパークのサイト開発・改善を行う部署にいます。そのなかでもUXチームとしてサービスの改善や新コンテンツの企画・開発などのディレクションを行っております。

ユーザーの声を聞いて課題を明確にする

ユーザーさんにはこういう体験をしてほしい、などUXチームで目標があったりするのでしょうか?

「探しやすいサイトにする」はチームで目標にしています。多くの方にとって結婚式は一生に一度のものなので、やっぱり失敗できないじゃないですか。そして、初めて結婚式場を探す方がほとんどです。 そのため、自分の好みや条件にあった式場を手軽に見つけられるように、初めてでも、誰にとっても「探しやすい」ことを意識して、サービスの改善や開発をしています。

UIscopeを利用した経緯を教えてください。

UXを改善するチームが去年の秋に新しく立ち上がったばかりで、そもそも「探しやすいサイトとは」「UXチームで解決すべき課題とは」といったところから議論が始まりました。そこで、現状把握をするために、実際にユーザーの声を聞いて、そこから課題を明確にしていこうという話になり、UIscopeを利用し始めました。

実際のターゲットユーザーで、自社サービスだけでなく他社サービスも調査

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UIscopeを利用してどういうテストをしていますか?

「結婚式場を探す」をメインに、【どう思って探しているか】、【どう操作をしているか】、【検索する際に足りていない情報がないか】をテストしています。

ユーザーテストのときのターゲット、セグメントはどういう考え方でされていますか?

ウエディングパークのユーザーは、「結婚が決まってこれから式場を探す」という方がほとんどになります。そのため、今の平均初婚年齢に近い、女性のユーザー行動を検証するべく、【結婚式を1年以内に挙げる予定のある方、20代後半、女性】という条件でターゲティングしてユーザーテストを実施しました。

他社サービスも同じモニターに利用してもらって、UI/UXを比較されていると思いますが、どういった項目を見ているのでしょうか?

同じように、別のサイトで使いにくいと思っているところはどこなのか?別のサイトと比べてウエディングパークの方が使いやすいと思って頂いているのはどこなのか?といったことですね。私達の視点だけでは分からないので、実際にユーザーに自社サイト、他社サイトを利用してもらって、その様子を動画で見て確認をしています。

メンバーと動画を見ることで、課題に対する共通認識ができる

ユーザーテストをして、どのように共有していますか?また、チームの反応はどうでしょうか?

最初はテキストのみのサマリーを共有していたのですが、それだとユーザーの熱量というか、臨場感が伝わらなくて…。せっかく動画があるので、今は毎週やっている定例会議で1人分のテスト動画を見るようにしています。実際にチームのみんなで動画を見ると、テストユーザーが話している一語一句を聞いて「ああ、そうなんだ!」っていう課題感を共通認識できるので、改善策を考えて実行する工程がスムーズになったように感じます。

共有するときに気をつけていることはありますか?

やはり、いろいろなユーザーがいて、その中の一部の結果なので、これが全てではないよ、っていうところは事前に共有して注意しています。同じことを考えている方が何人もいれば全体としてもこういう傾向なのかな?という仮設を立てることもしますが、偏りなくそれに引っ張られ過ぎないようにしています。

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実際に改善をした結果、KPIとなるような数値に変化はありましたか?

ありました!最初のテストで「読み込みが重い」といった声が多くあり、実際にお使いいただいているユーザーもそう思って見ているんだな、というのをとても実感し、課題になりました。そのため、ぺージの表示速度の改善を強化した結果、半年で1/4以上にサイト読み込み速度を縮め、その結果、KPIも改善されました。最近のテストではそのような声がなくなったので、そこはやってみて良かったなと感じています。

ページの読み込み速度は元々把握されていたと思うのですが、今まではそこまで重要な課題としては認識していなかったのですか?

そうですね。「ちょっと重いかもね」くらいの認識だったのですが、実際にユーザーに利用してもらった動画を確認すると、思った以上に「重い」、「遅い」といった反応がありました。結婚式って色々な準備をしないといけなくて忙しいので、そういった人たちが「遅い/重い」と感じていると、その先ウエディングパークを利用してもらえるのか?となりました。離脱の原因となっている可能性も高く、SEO的な観点からしても重要なことなので、改善を行う優先順位をあげました。

検証プロセスを3ヶ月ごとに回し、スピーディに改善

UI/UXの改善は、必ずしもすぐに成果が数値としてあらわれるものではなく効果測定が難しいと思うのですが、貴社ではどのように改善サイクルをまわしていますか?

一回テストを実施して課題を洗い出したら、出てきた課題を片っ端から解決していこう、といった感じで改善は進めています。それを改善した結果をまた次のテストで検証して、前のテストで困っていた所が解決されているかどうかを見て、解決されていたらOKとしています。解決されていなかったら、また別の方法を考えてといった感じで、テスト→改善→テストというサイクルを作って運用しています。

「テスト→改善→テスト」はどのくらいのスパンでやっていますか?

テスト自体は3ヶ月に一回やるようにしています。 テストを実施して、洗い出した課題を次の3ヶ月で修正して、 再度テストをするという流れなので、期間としては3ヶ月で直したところからどんどん確認していく、という流れです。

UXチームとしてユーザーテストを導入したことで、UI/UXなどの取り組みに関して変わった部分はありますか?

テストをやってみよう、と他のチームからも声をかけてもらうことが出てきたので、テストに対してのハードルは下がってきた印象です。 最近だとウエディングパークに「ハナレポ」という結婚式の準備レポートを閲覧できる新コンテンツが5月にリリースされたのですが、開発を進めていくなかでユーザーテストがしたい、と「ハナレポ」の開発チームからも言ってもらえました。 テストをやることで改善のポイントが見つかる、という認識は社内で広まってきたかなというのは感じますね。

最後にUIscopeについてですが、UIscopeの良い点や悪い点など、今後に期待みたいなものがありましたら、お手柔らかにお聞きしたいです。

動画と音声でどう思ってここを見ている、といったことが確認できるのはすごく分かりやすいですし、便利ですね。あとは動画中のメモが書ける機能(※1)は重宝しています。「このユーザーは、ここでこんなこと思っていたんだ」ということをメモして残しています。動画の場合、見返したり、チームで共有したりが難しいのですが、メモ機能を使うと見たいところから再生できるので助かっています。 期待する点としては、弊社が結婚を控えているカップル向けのサービスで、ユーザー層が限られているのですが、その層の母数がもう少し増えると嬉しいなと思います!

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UIscopeチーム

ありがとうございます。引き続き、繰り返しご利用いただけるように、モニターの拡大には力を入れてまいります!