UIscope活用インタビュー

バイトルを運営するディップの新規事業、「まごラブ」の開発についてインタビューしました。

「小さく作って改善する」で、ユーザーが満足するUIに

ディップ株式会社 亀田 重幸 氏
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Q. まず亀田さんがディップでされていることを教えてください。

A. お子さんの写真を通して、ママとシニアを繋ぐサービス

私は次世代事業準備室という部署に所属しており、ディップとして初の求人ドメイン以外の新規事業である「まごラブ」というサービスを担当しています。 まごラブは、“離れていても家族はつながる”をコンセプトに、お孫さんの写真を見たいシニアの方々と、子育てをしている親御さんの間で簡単に育児写真が共有できるサービスです。具体的な数字は申し上げられないのですが、メインターゲットである、シニアのアクティブ率が約80%、ママが約60%と非常に活発に利用して下さっています。

Q. まごラブでこだわっているユーザー体験(UX)を教えてください。

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A. シニアの方々が幸せになるユーザー体験(UX)を

まごラブという名前にあるように、“いかにシニアの方々に喜んでいただくか”をゴールにサービスをデザインしています。シニアの方々がお孫さんに会う頻度は高くないので、まごラブを通じて、お孫さんの顔を見る機会が多くなるように心がけています。このサービスをやっていて良くシニアユーザーから「孫を見るのが生きがいになりました。」というレビューを頂いたりするのですが、そういったお声は非常に嬉しく思います。 一方で、サービスのコアとなる写真をアップするはママなので、忙しいママが簡単に写真を共有できるようなUI設計にも気をつけています。

Q. そういったユーザー体験(UX)を生み出すために難しかった点はありますか?

A. ターゲットごとの最適UIをデザインするのに苦労しました

ママとシニアというITリテラシーの違うターゲットの両方に気に入ってもらえるようなデザインにするという点は非常に苦労しました。リリース時はFacebookやPathなど、他のSNS系のサービスのUIを参考にして作ったのですが、シニアの方々はボタンが押せないという問題が多々ありました。先ほどのユーザー体験(UX)の話と関連しているのですが、写真投稿に関してはママ寄りのUI、写真閲覧は、写真が大きく見えるようにしてシニア寄りのUIにして、それぞれのゴールが達成されるデザインになるよう改善してきました。 今回、リーンスタートアップ・アジャイル開発に初めて挑戦したのですが、「小さく作って改善する」という考えを実践できたおかげでユーザー満足度を高めるUI改善ができました。グロースハックを意識した小さな取り組みの積み重ねで、前述のような高いアクティブ率を保てているのだと考えています。

Q. ユーザー体験(UX)の検証はどのように行っていますか?

A. ユーザーの「生の声」が大事

ストア内のレビューも見ますが、やはり実際に使ってもらっている中での感想が大事だと思うのでインタビューは良く行います。その際、サービスを利用してもらう環境にもこだわっています。会議室にユーザーを呼んでインビュー、という形式をとると、ユーザーが緊張して自然な言動を観察することができなくなってしまう可能性がありますよね。ですので、カフェやユーザーの自宅にお伺いさせて頂き、インタビューを実施するようにしています。そういう意味ではUIscopeは自宅で実際に使ってもらっているところを観察することができるので、UIやUXに関するユーザーの「生の声」を聴くことができる貴重なツールだと思います。 あとは、定期的に既存ユーザーに満足度や不満点についてのアンケートを取っています。選択式ではなく記述式のみでの回答を募るのですが、アクティブな方ほど不満点をたくさん書いてくださって、非常に参考になります。

Q. UIscopeを利用しようと思ったキッカケは何ですか?

A. UIscopeが持つリソースは魅力的

正直に申し上げると、「リソース不足」という点が大きいです。インタビューではUI改善に繋がる非常にたくさんの気付きが得られるのですが、ほぼ私一人で足を運んでやっていたので、限界を感じていました。また、お子さんの写真を上げるというサービスの性質上、他人にはお願いしづらいので基本的には知人をたどってインタビューのお願いをしていました。そうするとそもそもインタビューできる母数が限られてしまうので、豊富なモニターを抱えるUIscopeを使ってみようと思いました。

Q. 実際にUIscopeを使ってどうでしたか?

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A. 仮説検証によりデザイン改善の優先度を知ることができました

今回のテストでは同じユーザーに競合サービス2つを利用してもらったのですが、どういう機能やユーザー体験(UX)がユーザーに効果的なのかが明確にわかったのが良かったですね。 また、ユーザビリティという面では自分達の仮説を検証することができました。例えば、インタビューによって、ボタンのラベルを変えないといけないのでは?という仮説が浮上していたのですが、UIscopeでテストしてみた際もインタビュー時とほぼ同じ結果が返ってきたので、開発・デザイン改善における優先度を明確にすることができました。

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