UIscope活用インタビュー

ネイル写真共有アプリ「Nailbook」を開発しているスピカ様にインタビューしてきました。

ユーザーテストを通して、本当の意味でのユーザー目線を持てました。

株式会社スピカ Nailbook開発チーム
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Q. ネイルブックのサービス概要を教えてください。

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A. ユーザーが自分のネイル写真を投稿できる女性向けアプリ

一言で言うと、ネイルブックは自分のネイルを投稿できるネイル写真共有サービスになります。プロのネイリストさんから、セルフネイルをしている人まで、色々なネイル写真が毎日800枚ほど投稿されています。サービスは2011年の4月30日にリリースしたのですが、もともとは株式会社ゆめみでO2Oのサービスを展開していこうとなり、社内で専門の事業室を立ち上げたのが始まりです。当時は女性のスマホ利用者が少なかったので、どこよりも早く女性向けのスマホサービスを出したら面白いんじゃないかという気持ちでした。内容に関しては当時、写真共有サービスの「インスタグラム」や、今やほとんどの方が利用している「facebook」が流行ってきたこともあり、それを踏まえて「写真」、それと女性向けということで「美容」の二つをテーマに考えた結果ネイルブックが生み出されました。

Q. 過去にユーザーテストの経験はありますか?

A. 今回、UIscopeでのテストが初めて

新規のユーザーでターゲットも意識してやったのは初めてです。今までは新しい機能を作ったら社内の人間に軽く感想を求める程度でしかやってこなかったですね。

Q. ではなぜ今回ユーザーテストを行おうと思ったのですか?

A. ユーザーとの会話から問題点が見えてきた

昨年あたりから、ネイルの店舗の方や実際のユーザーにお話を聞く機会が増えたのですが、そこで自分たちが思っている以上にユーザーは詳細な機能を使ってくれていないという事実を知りました。それから社内の人間ではなくネイルブックを初めて使う人によるユーザーテストの必要性を感じ、今回のイベントに参加することにしました。

Q. 今回のユーザーテストでは社内メンバーでタスク設計をされたとのことでしたが、どうでしたか?

A. ユーザーの視点に立つタスク設計が難しかった

最初は全く良いタスク設計が出来ませんでした。自分たちが確かめたい導線だけに集中したタスク設計をしてしまい、ユーザーの自然な動きを調査できるようなテストを作ることがなかなか出来なかったんです。今回ユーザビリティテストの講師をして頂いた樽本さんに最初からやり直しと言われ、一緒に作って頂きました。「ユーザーテストはユーザーの自然な動きを調べる物であって、こちらがユーザーの動作を固定させた動きを調べるものではない。」とのアドバイスを頂き、非常に勉強になりました。

Q. 実際に今回ユーザーテストを行って課題は見つかりましたか?

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A. 機能の魅力がユーザーに伝わっていなかった!

たくさん見つかりましたね。アプリ上でユーザーの動作を助けるようなメッセージを表示していたのですが、全く読まれていませんでした。社内の人に使ってもらうことでは絶対に見つからなかったUI課題がユーザーテストを通して発見できたことが大きかったです。ユーザーテストを見ていて、心の中で「そこスワイプじゃないんだけどな~泣」「そこはボタンじゃないんだけどな~泣」とずっと叫んでいました。こちらが良いと思った機能が使われていないというのが分かったので、今後はその機能をユーザーにどう伝えていくかが課題ですね。

Q. 今回のイベントを通して、ユーザーテストの印象は変わりましたか?

A. もっと早くにテストするべきでした

多少お金がかかっても、大きなアップデートの前や変更時はユーザーテストの必要性を強く感じました。もっと早くやっていれば良かったと反省しています。大きな収穫は、ユーザーテストの動画を通して、本当の意味でのユーザー目線を持てた事ですね。ユーザーからサービスについてのお問い合わせを多く頂いているのですが、中にはユーザーが何を伝えたいのかが分からない文章が多数ありました。開発側の視点にいることに慣れてしまっていたので、初めてサービスに触るユーザーの気持ちを理解できずにお問い合わせの真意をとらえることが出来なかったのです。ですが、新規のユーザーの動きを実際に見ることでユーザー目線を持てるようになり、「あの時のお問い合わせはこういう意味だったのか」というのが、今になって理解できるようになりました。今ではユーザーからのお問い合わせが、サービスの向上の大きな要因になっています。

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